SWCH50Kの硬度、成分、比重、引張強度、機械的性質について|冷間圧造用炭素鋼
SWCH50Kは、冷間圧造用炭素鋼のひとつで、SWCH材の中ではもっとも炭素含有量の多い材料です。炭素量は焼入れによって硬度と引張強さの向上に大きく寄与しますが、反面、多すぎると衝撃強度や靱性などには難が出てきますので、バランスを考えた選択が重要です。機械構造用の炭素鋼ではs50c相当のものなので、まだ脆さが目立つほどの炭素量ではありませんが、0.6を超えるとデメリットが目立つようになるため、留意しておく必要があります。
SWCH50Kの成分、組成
なお、成分規定は材料となるSWRCH50Kのものになります。
鋼材の種類 | C(炭素) | Si(シリコン) | Mn(マンガン) | P(リン) | S(硫黄) | Al(アルミ) |
---|---|---|---|---|---|---|
SWRCH50K | 0.47〜0.53 | 0.10〜0.35 | 0.60〜0.90 | 0.030以下 | 0.035以下 | − |
SWCH50Kの比重、密度
鉄鋼材料の比重は7.8前後となりますが、より細かい数字の概算を出すには、炭素量から算出することもできます。比重=7.876−0.030×炭素(%)の式を適用した場合、上限の0.53%で計算すると、7.860前後となります。
SWCH50Kの機械的性質|引張強度、硬度、絞り
冷間加工のみの場合
冷間のみの場合は事実上加工が困難なため規定無し。焼き鈍しをどこかに入れて応力除去、軟化させてから加工していきます。
焼きなまし後に冷間加工した場合
種類 | 引張強さ N/mm2 |
絞り (%) |
【参考値】 硬さ(HRB) |
---|---|---|---|
SWCH50K | 710以下 | 55以上 | 97以下 |
SWCH材(冷間圧造用炭素鋼線)の材料記号の一覧
SWCH24KとSWCH27KからSWCH50Kまでは焼きなまし後の冷間加工についての規定のみとなります。その他の冷間圧造用炭素鋼については、冷間加工のみと、焼きなまし後冷間加工の2パターンについての機械的性質が規定されています。
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