SWCH48Kの硬度、成分、比重、引張強度、機械的性質について|冷間圧造用炭素鋼
SWCH48Kは、冷間圧造用炭素鋼のなかでは高炭素の部類で、キルド鋼を原料とする材料です。炭素量は上限0.51となっているので、熱処理によってはさらに硬くなります。硬さ重視という場合では検討の価値がありますが、市況や流通も鑑みて材料選択する必要があります。S48Cに相当する線材です。炭素量は、鉄鋼材料にとって最も影響の多い元素となるため、用途と使用環境、負荷などのかかり方もあわせて検討していくことが求められます。
SWCH48Kの成分、組成
なお、成分規定は材料となるSWRCH48Kのものになります。
鋼材の種類 | C(炭素) | Si(シリコン) | Mn(マンガン) | P(リン) | S(硫黄) | Al(アルミ) |
---|---|---|---|---|---|---|
SWRCH48K | 0.45〜0.51 | 0.10〜0.35 | 0.60〜0.90 | 0.030以下 | 0.035以下 | − |
SWCH48Kの比重、密度
鉄鋼材料の比重は7.8前後となりますが、より細かい数字の概算を出すには、炭素量から算出することもできます。比重=7.876−0.030×炭素(%)の式を適用した場合、上限の0.51%で計算すると、7.861前後となります。
SWCH48Kの機械的性質|引張強度、硬度、絞り
冷間加工のみの場合
冷間のみの場合は規定されていません。焼き鈍し後に冷間加工するか、焼き鈍しを冷間加工の間に挟みます。
焼きなまし後に冷間加工した場合
種類 | 引張強さ N/mm2 |
絞り (%) |
【参考値】 硬さ(HRB) |
---|---|---|---|
SWCH48K | 710以下 | 55以上 | 97以下 |
SWCH材(冷間圧造用炭素鋼線)の材料記号の一覧
SWCH24KとSWCH27KからSWCH50Kまでは焼きなまし後の冷間加工についての規定のみとなります。その他の冷間圧造用炭素鋼については、冷間加工のみと、焼きなまし後冷間加工の2パターンについての機械的性質が規定されています。
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