SWCH30Kの硬度、成分、比重、引張強度、機械的性質について|冷間圧造用炭素鋼
SWCH30Kは、冷間圧造用炭素鋼としては半硬鋼と半軟鋼の中間に位置します。炭素量がこれくらいになってくると強度も上がってきます。引張強度の上限値は620MPaとなっており、冷間加工の場合のみの場合は規定がありません。炭素量が多くなってくると焼き鈍し無しの加工はだんだんと困難になってきます。硬度は、焼き鈍し後の冷間加工のレベルで92以下となっています。なお、SWCHの線材についてはこの30Kから、機械的強度が下限ではなく、上限値による規定となります。
SWCH30Kの成分、組成
なお、成分規定は材料となるSWRCH30Kのものになります。
鋼材の種類 | C(炭素) | Si(シリコン) | Mn(マンガン) | P(リン) | S(硫黄) | Al(アルミ) |
---|---|---|---|---|---|---|
SWRCH30K | 0.27〜0.33 | 0.10〜0.35 | 0.60〜0.90 | 0.030以下 | 0.035以下 | − |
SWCH30Kの比重、密度
鉄鋼材料の比重は7.8前後となりますが、より細かい数字の概算を出すには、炭素量から算出することもできます。比重=7.876−0.030×炭素(%)の式を適用した場合、上限の0.33%で計算すると、7.866前後となります。
SWCH30Kの機械的性質|引張強度、硬度、絞り
冷間加工のみの場合
以下のように焼き鈍し後に冷延するため、規定無し。
焼きなまし後に冷間加工した場合
種類 | 引張強さ N/mm2 |
絞り (%) |
【参考値】 硬さ(HRB) |
---|---|---|---|
SWCH30K | 620以下 | 55以上 | 92以下 |
SWCH材(冷間圧造用炭素鋼線)の材料記号の一覧
SWCH24KとSWCH27KからSWCH50Kまでは焼きなまし後の冷間加工についての規定のみとなります。その他の冷間圧造用炭素鋼については、冷間加工のみと、焼きなまし後冷間加工の2パターンについての機械的性質が規定されています。
スポンサーリンク
>このページ「SWCH30Kの硬度、成分、比重、引張強度、機械的性質について|冷間圧造用炭素鋼」の先頭へ
- 加工材料の性質と特徴(目次)へ戻る
- SWCH(冷間圧造用炭素鋼線)の材質、機械的性質、成分について
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、鋳鉄、超硬の熱膨張係数
- 金属の熱伝導率の一覧表
- 鉄鋼材料、鉄、炭素鋼、工具鋼の比重
- 鉄鋼、炭素鋼、鋳鉄、純鉄、ステンレスの熱伝導率
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、ハイスの比熱
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレスの電気抵抗
- 金属単体の比重、密度の一覧表
- 金属の融点、沸点の一覧表
- 金属の熱伝導率の一覧表
- 金属材料の硬度の一覧と比較
- 鉄鋼材料の種類
- 炭素鋼と合金鋼の違いと使い分け
- 合金元素の果たす役割
- 鉄鋼、炭素鋼、合金鋼の焼入れ深さ
- 焼入れ性とは