Al2O3、アルミナ蒸着材料のメーカー
酸化アルミニウム(アルミナ)は広範囲の分野・産業で使われる物質・原料です。このページでは、特に薄膜として使う場合、その中でも蒸着材料として使うためのAl2O3製品を開発・製造・販売しているメーカーを一覧にしました。
Al2O3は薄膜の材料としては中間屈折率材料の一つとして、反射防止膜に多用されています。三層構造の反射防止膜として、例えばレンズ、一眼レフカメラの反射防止膜などにも使われています。色は干渉により変わりますが、元来は無色透明の色で、レンズやプリズムなどの光学部品の表面につける薄膜としては、廉価な部類で大量生産にも向いています。ただ、Al2O3の原料をそのまま薄膜にしようとしても、成膜中にスプラッシュやアウトガスといった問題が発生するため、膜欠陥などにつながることが多く、通常は専用の蒸着材料や薄膜材料として加工されたAl2O3が使われます。違いが何処にあるかといえば、主として薄膜用途の場合、何らかのエネルギーをかけて、物質を分子にし、それを降り積もるようにして薄膜化していくため、電子ビームや加熱などの直撃を受けた際にどのように材料が挙動するかといった点が考慮されています。具体的には、薄膜装置内で溶かしてもガスの量が出にくい、材料がはじけない(スプラッシュが少ない)、ペレットやタブレット形状になった固形のものを使う場合は、成膜中に割れないといったことが重要となります。また純度は通常の光学部品であれば、3Nから4Nグレードが使われます(99.9%から99.99%)。
なお、蒸着用途ではなくフィラー用途などのAl2O3の原料そのもののメーカーの一覧はこちらになります。- 信光社
- 1947年設立の神奈川県横浜市にあるサファイア結晶メーカー。Al2O3、サファイアの専門メーカーであり、蒸着用、薄膜用の高純度Al2O3材料も製造販売する。
- キヤノンオプトロン
- キヤノングループの蒸着材料メーカーで、光学用途をはじめとする多くの無機材料を製造販売する。国内最大手。光学結晶メーカーとしても知られる。
- USTRON(アストロン)
- 石英製品や蒸着材料、スパッタリング用ターゲット材のメーカー。低コスト、高品質に定評がある。中国の全ての工場でISO9001の認証を取得、自社工場での一貫生産。
- 稀産金属
- 昭和34年(1959年)の設立以来、半世紀にわたり一貫して希少金属、希土類を原料とした総合化合物メーカー。広範囲にわたり、蒸着材料も製造販売する。
- ニューメタルスエンドケミカルスコーポレーション
- 半導体や電子材料、金属、セラミックス等工業材料の多くの輸入販売する商社。蒸着材料、薄膜材料も多品種取り揃えている。
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