SECGの比重、成分、板厚、メッキ厚、降伏点などの物性と機械的性質|電気亜鉛メッキ鋼板の特徴と規格
SECGの特徴
SECGは電気亜鉛メッキされた鋼板のうち、非時効性で超深絞り用の薄板の一つです。メッキ前の原板には、SPCGが使用されており、こちらも同じく非時効性であり、絞り加工を行った際に側面部に浮き上がってくる縞模様(歪み、金属のシワ)が出ないことが条件となります。
絞り加工においては、超深絞りと規定されているだけあり、最も伸び値の高い鋼板となっています。1.6mm程度の鋼板であれば、その伸びの最小値は46%以上との内容です。
成分は、メッキを除くと原板のものがそのまま適用される形になりますが、炭素量が0.02%以下という超低炭素仕様です。特別極軟鋼に相当し、海外規格での相当鋼となると、ISO規格のCR5がこれに近い炭素量をもつ絞り加工用鋼板となります。
SECGの板厚とメッキ厚
標準として、「表示厚さ」=板そのもの厚みが定められており、「製品厚さ」=メッキも含んだ厚さは計算で割り出すことになります。
SECGの比重
7.85が鋼板の比重となります。
SECGの成分と材質
SECGも含め、成分の規定は電気亜鉛メッキ鋼板にはありませんが、材質はすべて鋼です。メッキ前の原板に成分規定がある場合はそれが成分の値となります。下表から原板の規格も参考にしてください。
SECGの機械的性質
電気亜鉛メッキ鋼板の種類 | 降伏点、耐力 N/mm2 |
引張強さ N/mm2 |
伸び(%) | 塗装焼付硬化量 N/mm2 |
試験片と方向 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
板厚 【表示厚さ(ミリ)】 |
||||||||||
0.40以上0.60未満 | 0.60以上1.0未満 | 1.0以上1.6未満 | 1.6以上2.3未満 | 2.3以上2.5未満 | 2.5以上 | |||||
SECG | - | 270以上 | 42以上 | 44以上 | 45以上 | 46以上 | 46以上 | 46以上 | - | 5号圧延方向 |
電気亜鉛メッキ鋼板の一覧|JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯に規定されている材料記号一覧
電気亜鉛メッキ鋼板の種類 | 板厚の範囲 | 元になる鋼板の種類 (熱延鋼板) |
想定される用途 |
---|---|---|---|
SEHC | 1.6ミリ以上4.5ミリ以下 | SPHC | 一般用 |
SEHD | SPHD | 絞り用 | |
SEHE | SPHE | 深絞り用 | |
SEFH490 | SPFH490 | 加工用 | |
SEFH540 | SPFH540 | ||
SEFH590 | SPFH590 | ||
SEFH540Y | 2.0ミリ以上4.0ミリ以下 | SPFH540Y | 高加工用 |
SEFH590Y | SPFH590Y | ||
SE330 | 1.6ミリ以上4.5ミリ以下 | SS330 | 高強度用 |
SE400 | SS400 | ||
SE490 | SS490 | ||
SE540 | SS540 | ||
SEPH310 | SAPH310 | 高強度用 | |
SEPH370 | SAPH370 | ||
SEPH400 | SAPH400 | ||
SEPH440 | SAPH440 |
電気亜鉛メッキ鋼板の種類 | 板厚の範囲 | 元になる鋼板の種類 (冷延鋼板) |
想定される用途 |
---|---|---|---|
SECC | 0.4ミリ以上3.2ミリ以下 | SPCC | 一般用 |
SECD | SPCD | 絞り用 | |
SECE | SPCE | 深絞り用 | |
SECF | SPCF | 非時効性深絞り用 | |
SECG | SPCG | 非時効性超深絞り用 | |
SEFC340 | 0.6ミリ以上2.3ミリ以下 | SPFC340 | 絞り用 |
SEFC370 | SPFC370 | ||
SEFC390 | SPFC390 | 加工用 | |
SEFC440 | SPFC440 | ||
SEFC490 | SPFC490 | ||
SEFC540 | SPFC540 | ||
SEFC590 | SPFC590 | ||
SEFC490Y | SPFC490Y | 低降伏比型 | |
SEFC540Y | SPFC540Y | ||
SEFC590Y | SPFC590Y | ||
SEFC780Y | 0.8ミリ以上2.0以下 | SPFC780Y | |
SEFC980Y | SPFC980Y | ||
SEFC340H | 0.6ミリ以上1.6ミリ以下 | SPFC340H | 焼付硬化型 |
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