SEFC440の比重、成分、板厚、メッキ厚、降伏点などの物性と機械的性質|電気亜鉛メッキ鋼板の特徴と規格
SEFC440の特徴
SEFC440は引張強度の下限値を440MPaにもつ電気亜鉛メッキされた鋼板になります。メッキされる前の鋼板には自動車用加工性冷間圧延高張力鋼板と呼ばれるSPFC鋼板のひとつ、SPFC440が使われています。メッキされた部位を除く機械的性質や成分については、この原板に依存します。
規格上は加工用として規定されており、0.6mmから2.3mmの板厚を持つ鋼材です。強度向上とともに、徐々に伸びの値については下降していきますので、より高い加工性が必要な場合は、440の部分の数字が少ないものを選ぶ必要が出てきます。
なお、成分については規格としては定められていません。
SEFC440の板厚とメッキ厚
標準として、「表示厚さ」=板そのもの厚みが定められており、「製品厚さ」=メッキも含んだ厚さは計算で割り出すことになります。
SEFC440の比重
7.85が鋼板の比重となります。
SEFC440の成分と材質
SEFC440も含め、成分の規定は電気亜鉛メッキ鋼板にはありませんが、材質はすべて鋼です。メッキ前の原板に成分規定がある場合はそれが成分の値となります。下表から原板の規格も参考にしてください。
SEFC440の機械的性質
電気亜鉛メッキ鋼板の種類 | 降伏点、耐力 N/mm2 |
引張強さ N/mm2 |
伸び(%) | 塗装焼付硬化量 N/mm2 |
試験片と方向 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
板厚 【表示厚さ(ミリ)】 |
||||||||||
0.40以上0.60未満 | 0.60以上1.0未満 | 1.0以上1.6未満 | 1.6以上2.3未満 | 2.3以上2.5未満 | 2.5以上 | |||||
SEFC440 | 265以上 | 440以上 | − | 26以上 | 27以上 | 27以上(2.3ミリ以下まで適用) | − | − | − | 5号圧延方向に直角 |
電気亜鉛メッキ鋼板の一覧|JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯に規定されている材料記号一覧
電気亜鉛メッキ鋼板の種類 | 板厚の範囲 | 元になる鋼板の種類 (熱延鋼板) |
想定される用途 |
---|---|---|---|
SEHC | 1.6ミリ以上4.5ミリ以下 | SPHC | 一般用 |
SEHD | SPHD | 絞り用 | |
SEHE | SPHE | 深絞り用 | |
SEFH490 | SPFH490 | 加工用 | |
SEFH540 | SPFH540 | ||
SEFH590 | SPFH590 | ||
SEFH540Y | 2.0ミリ以上4.0ミリ以下 | SPFH540Y | 高加工用 |
SEFH590Y | SPFH590Y | ||
SE330 | 1.6ミリ以上4.5ミリ以下 | SS330 | 高強度用 |
SE400 | SS400 | ||
SE490 | SS490 | ||
SE540 | SS540 | ||
SEPH310 | SAPH310 | 高強度用 | |
SEPH370 | SAPH370 | ||
SEPH400 | SAPH400 | ||
SEPH440 | SAPH440 |
電気亜鉛メッキ鋼板の種類 | 板厚の範囲 | 元になる鋼板の種類 (冷延鋼板) |
想定される用途 |
---|---|---|---|
SECC | 0.4ミリ以上3.2ミリ以下 | SPCC | 一般用 |
SECD | SPCD | 絞り用 | |
SECE | SPCE | 深絞り用 | |
SECF | SPCF | 非時効性深絞り用 | |
SECG | SPCG | 非時効性超深絞り用 | |
SEFC340 | 0.6ミリ以上2.3ミリ以下 | SPFC340 | 絞り用 |
SEFC370 | SPFC370 | ||
SEFC390 | SPFC390 | 加工用 | |
SEFC440 | SPFC440 | ||
SEFC490 | SPFC490 | ||
SEFC540 | SPFC540 | ||
SEFC590 | SPFC590 | ||
SEFC490Y | SPFC490Y | 低降伏比型 | |
SEFC540Y | SPFC540Y | ||
SEFC590Y | SPFC590Y | ||
SEFC780Y | 0.8ミリ以上2.0以下 | SPFC780Y | |
SEFC980Y | SPFC980Y | ||
SEFC340H | 0.6ミリ以上1.6ミリ以下 | SPFC340H | 焼付硬化型 |
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