蒸着フィルムとは

2012年4月10日更新

フィルムはそのほとんどすべてに何らかの機能的な要素が求められる製品であり、したがってその表面に薄膜をつけることで付加価値をつけるということはほぼ必須ともいえます。フィルムそのものの材質を改良することで成膜しなくとも高機能を持つフィルムも存在しますが、薄膜のよいところは基材とはまったく異なる特性を出したり、あるいは基材と組み合わせることではじめて発揮させる特性もあるため、応用範囲が広いという点が言えると思います。

フィルム蒸着というとき、成膜手法が必ずしも真空蒸着ではないものについても言われるため、この場合はフィルムに薄膜をつけているという程度の広義に捉えたほうがよいケースもあります。

フィルムへの成膜は、PVDでは真空蒸着のほか、スパッタリングも使われますし、またウェットコーティングに分類されるスピンコートなども使われます。

フィルム自体は大面積で、かつロール状になっているものがほとんどですので、成膜機構としては一定の蒸着レートを確保でき、成膜速度が速くできること、工程上フィルムを巻き取る構造が装置に附属している必要があります。

薄膜の特性【参考】

主として光学膜や機能膜として用いられる薄膜の代表的な特性、物性について紹介します。

酸化物の薄膜

フッ化物の薄膜

窒化膜

炭化膜

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