成膜装置の種類
薄膜は、物体の表面に高い機能性を付与するために、現在の産業界では不可欠の存在となっていますが、この「膜」の品質やどのような機能、物性を持つかという部分は、薄膜の材料だけでなく、成膜装置とその膜をつける技術に大きく左右されます。
薄膜の材料は、誘電体膜であれ、金属膜であれ、ほとんどは金属か、酸化物、フッ化物、窒化物、炭化物などですが、これらの材料そのものはここ30年であまり大きくは変わっていません。新しい材料というのは、たいていの場合は今ある材料を二つか、それ以上組み合わせて作られた混合材料です。
代表例としては、ZrO2の不均質の問題を解決するためにTiO2等を混合したものや、TiO2に匹敵する高屈折率を実現するために、これらにさらに別の物質を混合した例などがあります。
成膜装置はその手法と表裏一体であり、一台で複数の手法が実現できるものはありません。分類としては、成膜手法に呼応してPVD用、CVD用があります。
- 真空蒸着装置
- スパッタリング装置
- 熱CVD装置
- MOCVD装置
薄膜の特性【参考】
主として光学膜や機能膜として用いられる薄膜の代表的な特性、物性について紹介します。
酸化物の薄膜
- Al2O3(酸化アルミニウム、アルミナ)
- CeO2(酸化セリウム)
- Cr2O3(酸化クロム)
- Ga2O3(酸化ガリウム)
- HfO2(酸化ハフニウム、ハフニア)
- NiO(酸化ニッケル)
- MgO(酸化マグネシウム、マグネシア)
- I.T.O(In2O3+SnO2)酸化インジウムスズ
- Nb2O5(五酸化ニオブ)
- Ta2O5(五酸化タンタル)
- Y2O3(酸化イットリウム、イットリア)
- WO3(酸化タングステン)
- TiO(一酸化チタン)
- Ti3O5(五酸化チタン)
- TiO2(二酸化チタン、チタニア)
- ZnO(酸化亜鉛)
- ZrO2+TiO2(複合酸化物)
- ZrO2(酸化ジルコニウム、ジルコニア)
フッ化物の薄膜
- AlF3(フッ化アルミニウム)
- CaF2(フッ化カルシウム)
- CeF3(フッ化セリウム)
- LaF3(フッ化ランタン)
- LiF(フッ化リチウム)
- NaF(フッ化ナトリウム)
- MgF2(フッ化マグネシウム)
- NdF3(フッ化ネオジウム)
- SmF3(フッ化サマリウム)
- YbF3(フッ化イッテルビウム)
- YF3(フッ化イットリウム)
- GdF3(フッ化ガドリニウム)
窒化膜
炭化膜
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