SCS1の比重、材質、機械的強度、成分|SCS1の規格
SCS1はマルテンサイト系のステンレス鋳鋼材で、他のマルテンサイト系SCSのベースともなっています。ASTMではCA15に相当する鋼です。焼入れ硬化性のあるステンレスで、流速のある水中やアルカリ性の溶剤や溶液のなかでも磨耗性を発揮することから、ポンプやポンプ内のインペラー、ケーシング、タービン翼、水車ランナ等など高速での「流れ」のおきる部分にもよく使われます。
SCS1の比重
マルテンサイト系のため、7.75前後が標準的な比重となります。
SCS1の成分
ステンレス鋳鋼の記号 | C | Si | Mn | P | S | Ni | Cr | Mo | Cu | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SCS1 | 0.15以下 | 1.50以下 | 1.00以下 | 0.040以下 | 0.040以下 | - | 11.50から14.00 | - | - | - |
SCS1の機械的性質、熱処理温度
鋳鋼の種類 | 熱処理条件 | 耐力 N/mm2 |
引張強さ N/mm2 |
伸び % |
絞り % |
シャルピー吸収エネルギーJ | 硬度 HB |
|||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
記号 | 焼き入れ ℃ |
焼き戻し ℃ |
固溶化熱処理 ℃ |
|||||||
SCS1 | T1 | 950以上油冷又は空冷 | 680から740空冷又は徐冷 | - | 345以上 | 540以上 | 18以上 | 40以上 | - | 163から229 |
T2 | 950以上油冷又は空冷 | 590から700空冷又は徐冷 | - | 450以上 | 620以上 | 16以上 | 30以上 | - | 179から241 |
SCS(ステンレス鋳鋼品)の材料記号の一覧
JIS規格に規程のあるSCSの一覧です。
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