SCS11の比重、材質、機械的強度、成分|SCS11の規格
SCS11はSCS12を出発材料とするオーステナイト・フェライト系(二相系)のステンレス鋳鋼品で、高クロムとモリブデンの添加により耐食性をさらに上げた系統のSCS材です。
耐酸性や耐孔食性、耐応力腐食割れ等に優れた高強度材料として知られ、海水に強く、硫酸・硝酸・水酸化ナトリウム等に対しても強度や耐磨耗性が優れた材料で、用途としては、排煙脱硫装置、海水ポンプ用、その他産業機械部品等があります。SUS329J1相当品となります。
SCS11の比重
オーステナイト・フェライト系(二相系)のステンレスであり、7.80前後が比重の基準となります。
SCS11の成分
ステンレス鋳鋼の記号 | C | Si | Mn | P | S | Ni | Cr | Mo | Cu | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SCS11 | 0.08以下 | 1.50以下 | 1.00以下 | 0.040以下 | 0.030以下 | 4.00から7.00 | 23.00から27.00 | 1.50から2.50 | - | - |
SCS11の機械的性質、熱処理温度
鋳鋼の種類 | 熱処理条件 | 耐力 N/mm2 |
引張強さ N/mm2 |
伸び % |
絞り % |
シャルピー吸収エネルギーJ | 硬度 HB |
|||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
記号 | 焼き入れ ℃ |
焼き戻し ℃ |
固溶化熱処理 ℃ |
|||||||
SCS11 | S | - | - | 1030から1150で急冷 | 345以上 | 590以上 | 13以上 | - | - | 241以下 |
SCS(ステンレス鋳鋼品)の材料記号の一覧
JIS規格に規程のあるSCSの一覧です。
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