SCS6の比重、材質、機械的強度、成分|SCS6の規格
SCS6はマルテンサイト系ステンレス鋳鋼品で、SCS5にモリブデンを添加することで耐食性を向上させたタイプのSCS材です。ASTMではCA6NMが類似鋼となります。マルテンサイトの中でも優れた機械的性質と高い硬度を持ちます。高温環境においても耐食性や耐磨耗性に優れた鋼材のため、高温高圧が想定される環境、たとえばポンプインペラーやポンプのケーシングなどによく使われているSCS材のひとつです。靭性についてもSCS1やSCS2などをよりも優れているため、衝撃や破壊強度の求められる場合、検討材料となります。
SCS6の比重
マルテンサイト系のため7.75が基準となります。
SCS6の成分
ステンレス鋳鋼の記号 | C | Si | Mn | P | S | Ni | Cr | Mo | Cu | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SCS6 | 0.06以下 | 1.00以下 | 1.00以下 | 0.040以下 | 0.030以下 | 3.50から4.50 | 11.50から14.00 | 0.40から1.00 | - | - |
SCS6の機械的性質、熱処理温度
鋳鋼の種類 | 熱処理条件 | 耐力 N/mm2 |
引張強さ N/mm2 |
伸び % |
絞り % |
シャルピー吸収エネルギーJ | 硬度 HB |
|||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
記号 | 焼き入れ ℃ |
焼き戻し ℃ |
固溶化熱処理 ℃ |
|||||||
SCS6 | T | 950以上で空冷 | 570から620で空冷又は徐冷 | - | 550以上 | 750以上 | 15以上 | 35以上 | - | 285以下 |
SCS(ステンレス鋳鋼品)の材料記号の一覧
JIS規格に規程のあるSCSの一覧です。
スポンサーリンク
>このページ「SCS6の比重、材質、機械的強度、成分|SCS6の規格」の先頭へ
- 加工材料の性質と特徴(目次)へ戻る
- SCS(ステンレス鋳鋼品)の一覧へ戻る
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、鋳鉄、超硬の熱膨張係数
- 金属の熱伝導率の一覧表
- 鉄鋼材料、鉄、炭素鋼、工具鋼の比重
- 鉄鋼、炭素鋼、鋳鉄、純鉄、ステンレスの熱伝導率
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、ハイスの比熱
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレスの電気抵抗
- 金属単体の比重、密度の一覧表
- 金属の融点、沸点の一覧表
- 金属の熱伝導率の一覧表
- 金属材料の硬度の一覧と比較
- 鉄鋼材料の種類
- 炭素鋼と合金鋼の違いと使い分け
- 合金元素の果たす役割
- 鉄鋼、炭素鋼、合金鋼の焼入れ深さ
- 焼入れ性とは