研磨材の構成について
研磨材は、砥石なのか遊離砥粒なのか、またどのような研磨様式なのか、研磨機なのかによって構成要素が異なってきます。研磨には物理的な研磨、化学的な研磨、電気的な研磨などがありますが、研磨の大多数を占める物理的な(機械的作用を及ぼすことによる)研磨には、ワークの表面を削って凹凸を小さくしていくための「刃」が必要です。この役割を担うのが、「砥粒」で、砥石であっても液体の研磨剤であっても物理的な研磨による場合は必ず必要になります。
次に、砥粒をどのようにして固着させたり、ワークに食いつかせるのかという点で、ボンドや接着剤が構成要素として挙げられます。シートやフィルム、ベルト、ペーパーなどに研磨材として作用する砥粒を接着させたり、ブロック状態の砥石に砥粒をまぜこんで焼き固めるためのボンドは、砥石の切れ味や寿命にも影響する部分です。液体状になっている研磨材の場合は、この部分はありませんが、かわりに研磨液やラップ、定盤、ポリッシュ用のポリッシングパッドなどがこれらの役割を部分的に担うことになります。
研磨に必要な構成要素としては、対象を削っていく砥粒、それを支えたり固定したりするためのボンドや接着剤が必須となります。気孔というのは、砥石にあいた無数の小さな穴で、研磨中に切り屑の排出を助けたり、砥粒の入れ替わりを助けたり、ときには砥石が高温になりすぎないよう排熱したりといった機能を持ちます。固形をしている砥石にとってはとても重要な要素ですが、気孔のない砥石や研磨材もあります。
研磨タイプ | 構成要素 |
---|---|
砥石 | 砥粒、ボンド、気孔の三要素 |
研磨ベルト、研磨布紙、研磨フィルム、サンドペーパー類 | 基材、接着剤、砥粒 |
バレル研磨 | 研磨石、コンパウンド |
化学研磨 | エッチング液 |
遊離砥粒 | 砥粒、研磨液(水性のもの、界面活性剤などの不水溶性のもの等) |
研磨材の構成要素が研磨効率に与える影響
研磨材の主な構成要素である砥粒、結合剤(ボンド)、気孔は、それぞれ研磨効率に大きな影響を与えます。
1. 砥粒の影響
- 硬度: 砥粒の硬度は研磨対象物の2.5から3倍必要です。適切な硬度の砥粒を選択することで、効率的な研磨が可能になります。
- 形状と寸法: 砥粒の形状とサイズは、研磨の切削力や仕上げの質に影響を与えます。例えば、尖った形状は切削効率が高いですが、表面仕上げには不向きです。
- 粒度: 粒度が細かいほど、きめの細かい仕上げになり、粗いほど表面の結合に適した質感になります。
2. 結合剤(ボンド)の影響
- 結合度: 結合剤が砥粒を保持する強さを示します。結合度が高いと寿命は延びますが切れ味が低下し、逆に低いと寿命が短くなりますが切れ味は向上します。
- 種類: レジン、ビトリファイド、メタルなどの異なる結合剤は、それぞれ異なる特性を持ちます。例えば、レジンボンドは柔軟性があり、加工中に適度な切削力を維持します。
3. 気孔の役割
砥石に存在する気孔は以下の機能を持ち、研磨効率に影響します:
- 切り屑の排出を助ける
- 砥粒の入れ替わりを促進する
- 砥石の温度上昇を抑制し、過熱による劣化を防ぐ
4. 潤滑剤と冷却剤の影響
潤滑剤や冷却剤は研磨中の摩擦を減少させるため、適切な量の供給が重要です。潤滑剤が多すぎると、砥粒が効果的に働かず、逆に少なすぎると過熱や摩耗が進行します。
5. 研磨布や円板の特性
研磨布や円板の弾性も研磨結果に影響します。弾性が高い布は柔軟性を持ち、複雑な形状にもフィットしやすくなります。一方で、弾性が低い布は高精度な加工が可能ですが、表面仕上げには注意が必要です。
これらの要素を適切に組み合わせることで、研磨効率を最適化し、高品質な仕上がりを実現することができます。
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