人造石の研磨

2024年12月27日更新

人造石はエンジニアリングストーンとも言われ、今日数多く市場にも出回っていますが、そのどれもが素材の種類、比率、製法が少しずつ違っており、すべての人造石の研磨に万能に使える工具というものは残念ながら存在しません。人造石のなかでも、天然に存在する素材を組み合わせて作られたもの、人工の樹脂などのみから作られたもの、これらの複合タイプなどいくつかの類型があります。したがって、人造石とはいっても、実際には石ではないため、研磨そのものが難しいものもあります。インテリア用途等で市場によく出回っている人造石として多いのは石英、水晶で、このため御影石よりも硬度が高い場合があります。また色彩も天然のものとは違って、単一の色に染めることが出来るため、デザイン上の理由からも選択されることがあります。また天然の石材と同様のデザインをもつのものもあり、両者を区別することが難しい場合があります。

石材の劣化や汚れの多くは、石材を構成している雲母や長石などの隙間から水分や汚れが浸透することからおきますが、人造石のほとんどは、この隙間がほとんどできない緻密な構造になるよう制御している点に最も大きな特徴があります。これが理由で素材としての耐久力は向上していますが、研磨する上では難度が上がっており、天然石材用の研磨工具を使っても思うように面品位が出ないことがあります。

「人造石」に関連するサイトやリソース

サイルストーン
コセンティーノ社の開発した石英ベースの人造石です。天然の石英を粉末化して、樹脂・顔料・バインダーなどを添加して作られている人造石で、クォーツ(石英、水晶)の含有率は93%にもなります。プレス加工時に振動プレスによって脱泡処理を行います。特に防汚、抗菌、耐衝撃性に特徴があります。通常の御影石よりも硬度は高いです。
テラゾー(Terrazzo)
イタリアのベネツィアで開発されたもので、人造大理石の代名詞ともなっていますが、現地で生コンを練る要領で使うことが出来、入り組んだ形状に打設されることもあります。バインダーには、セメント系のものとレジン系のものがあり、性質が違います。
シーザーストーン(Caesarstone)
共和政ローマの将軍「シーザー(カエサル)」の名を冠する人造石で、石材につきものの「気孔」「空孔」がなく、汚れやシミ、傷に強いとされる製品です。石材の表面へのシーラーやワックスなども不要とされます。インテリア用に開発された人造石で、石英(クォーツ)で作られています。
テクニストーン(Technistone)
キッチンのカウンタートップやヴァニティートップ、浴室のシンク周りで使われる人造石です。90%以上が天然の素材で構成されており、石英や花崗岩の粉や、ガラス粒、樹脂などを混ぜ固めて作られています。通常の石材にはつきものの気孔(空隙)がありません。
ゾディアック(zodiaq)
デュポンストーンとも言われることもありますが、デュポン社の開発した人造石で、以前はゾディアックの名称で販売されていましたが、今はCorianと名称が変わっています。
ブレトンストーン(Breton stone)
天然に存在する石材やその構成物質で作られた人造石でイタリアのBreton社の製品です。御影石に近いタイプと、大理石に近いタイプとがあります。

研磨と研磨材の種類の記事一覧

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