炭素鋼の研磨について

2024年12月27日更新

炭素鋼とは、鉄と炭素の合金です。一般にはこれらにさらに添加元素として、硫黄やシリコン、りん等を加えて機械的性質の改善をはかったものが使われます。

よく知られている素材としては、SS400、SS540などのSS材(一般構造用圧延鋼)、SM材(溶接構造用圧延鋼)、SB材(ボイラ用圧延鋼)、S45CなどのSC材(機械構造用炭素鋼)があります。

炭素の量が多いものほど、粘りのかわりに「硬さ」が増してきます。焼き入れなどの熱処理でも同様です。また炭素量が多いものほど、低温じん性も悪化してきますので、用途に応じて使い分けられます。

そのどれもが通常の「鉄」よりも強度や耐摩耗性など何らかの付加価値を上げた材料です。したがって、加工時には出発材料の成分と熱処理の種類を見て研磨材を選ぶ必要があります。

砥粒の種類としては、A砥粒と呼ばれるアルミナ(酸化アルミニウム)系のものが良く使われ、硬いものであればWA砥石と相性がよいです。さらに切れ味や精密加工が必要ということであれば、ダイヤモンドに次ぐ硬さを持つCBNを使った砥石が効果的です。同じ砥粒を用いていても、粒度を変えるだけで切れ味が大きく変わるため、前工程の研磨で思うように削ることが出来ない場合は、粒度変更も検討の価値はあります。なお、切削油などを使わない乾式による研磨加工の場合は、粒度は若干粗め、結合度が硬い砥石を使用したほうがよいとされます。

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