ステンレス研磨について
ステンレスはSUSともいいますが、鉄鋼材料の中でも特に耐食性に優れた特殊用途の素材です。鉄鋼材料ですので、鉄がベースになった素材ですが、錆びにくくするためにクロムやニッケルといった元素を添加して、表面に強固な酸化膜が形成されるように作られています。
生活には最も身近な材料ですが、研磨がしやすい材料ではなく、特に鏡面研磨のように傷の全くない鏡のような表面を得るためには適切な研磨材とコツが必要です。
ステンレスは工場などに入荷される際は、ステンレス鋼板や棒材などといった形状で納入されます。鋼板の場合は、直径が数メートルにもなる巨大なロールのように丸められています。この際、ステンレスの表面処理としてどのようなものが採用されているのかで研磨の工程も変わります。ステンレスは酸洗しただけのものから、研磨ベルトで磨いてあるもの、ヘアラインといったデザインを施したもの等があります。
研磨処理がなされたステンレスのグレードとしては、No.3(100番から120番の研磨ベルトで表面処理されているもの)、No.4(150番から180番の研磨ベルトで表面処理されたもの)、#240仕上げ(240番の研磨ベルトで仕上げたもの)、#400仕上げ(400番のバフ研磨で仕上げたもの)、ヘアライン仕上げ(150番から240番の研磨ベルトで直線上の意匠を施したもの)、No.7(600番のバフで研磨したもの)、No.8(ナンバーエイト仕上げ:バフなどの細かい研磨材でステンレスの表面を鏡面にまで仕上げたもの)等があります。
ステンレスの研磨に使われる研磨材としては、ホワイトアランダム、マグネシウム、クロム、炭化ケイ素、酸化鉄、CBNなどがあります。鉄を含む材料のため、アルミナ系の中でもWA系のものと比較的相性がよいですが、バフ研磨などでは青棒と呼ばれる酸化クロムがベースとなった緑色の研磨材が使われることもあります。研磨材に固定砥粒である砥石を用いる場合は、選択するボンドも仕上げの精度に大きく影響します。よりやわらかいレジン系やPVA(ポリビニールアルコール)系の砥石が好まれますが、仕上げはバフ研磨か、遊離砥粒を用いたラップ研磨に使いものでないと、鏡面には仕上がりにくい素材です。
ステンレスは、前述の通り、表面に酸化膜(不動態被膜)が形成される特徴のほか、力を加えると表面が硬くなる「加工硬化」と呼ばれる特徴も持ちます。したがって、序盤で切れ味の悪い砥石で無理な研削抵抗をかけ続けると、表面が硬化し、思うように加工しづらくなる場合もあります。
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