研磨材の硬度
研磨材にとって硬度は対象への切り込みを決める重要な指標ですが、これだけで性能が決まるわけではありません。硬度だけでなく、「割れ方」「割れやすさ」「砕けやすさ」といった要素が研磨には大切なものとなります。
実用的に、使われることの多い研磨材の硬度をモース硬度で一覧にしました。もっとも硬い研磨材はダイヤモンドで、CBNがそれに続き、炭化ケイ素、アルミナがそれに続いていきます。モース硬度ではダイヤを10とした基準のためわかりにくいですが、ダイヤと次点のCBN、炭化ケイ素の硬さの差はビッカース硬度などで計測するとかなり大きな値となります。
研磨材 | 化学式 | モース硬度 |
---|---|---|
ダイヤモンド | C | 10 |
cBN | CBN | − |
アルミナ | Al2O3 | 8〜9前後 |
炭化ケイ素 | SiC | 9.5前後 |
炭化ホウ素 | B4C | 9前後 |
ベンガラ | Fe2O3 | 6前後 |
酸化クロム | Cr2O3 | 6〜7前後 |
酸化セリウム | CeO2 | 6前後 |
酸化ジルコニウム | ZrO2 | 6〜7前後 |
酸化チタン | TiO2 | 5.5〜6前後 |
二酸化ケイ素 | SiO2 | 7前後 |
酸化マグネシウム | MgO | 6.5前後 |
ビッカース硬度(HV)で各研磨材の硬さを示すと下表のようになります。ダイヤモンドがダントツに硬いことがわかりますが、硬ければ何でも適切に磨けるわけではない点が研磨や研削の面白いところです。なお、ダイヤモンドの研磨には同じくダイヤモンドパウダーを使用します。
研磨材 | 化学式 | ビッカース硬度(HV) | ロックウェル硬度(HRC) |
---|---|---|---|
ダイヤモンド | C | 8000〜10000 | - |
立方窒化ホウ素 (cBN) | CBN | 4700〜5000 | - |
炭化ケイ素 | SiC | 2500〜3000 | - |
炭化ホウ素 | B4C | 2800〜3500 | - |
アルミナ (酸化アルミニウム) | Al2O3 | 2000〜2200 | 70〜75 |
酸化クロム | Cr2O3 | 1500〜1700 | - |
酸化セリウム | CeO2 | 600〜700 | - |
酸化ジルコニウム | ZrO2 | 800〜1200 | - |
酸化チタン | TiO2 | 500〜600 | - |
二酸化ケイ素 | SiO2 | 700〜800 | - |
酸化マグネシウム | MgO | 600〜700 | - |
ベンガラ (酸化鉄) | Fe2O3 | 300〜400 | - |
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