研磨と研摩の違いはあるか

2024年12月27日更新

物体の表面を磨くことを意味する「研磨」(けんま)の漢字はどちらの表記でも使うことができますが、現在は研磨のほうが一般的によく見られる表記になります。

「磨」と「摩」は意味もよく似た漢字ですが、磨く(みがく)に代表されるように、「磨」にはこすって光沢を出す意味合いを持ちます。「摩」についても、同様に「こする」「擦る」といった意味がありますが、摩滅や摩耗、摩擦など用法の面から見ると、どちらかといえばすり減っていくニュアンスをもつ熟語によく使われているようです。

研磨も物体の表面が削られているため、すり減ってはいるのですが、表面を削り取る「研削」のほかにも、表面に光沢やツヤを出していく「琢磨作用」の側面も強く持っています。研磨という加工、この「研削」と「琢磨」の組み合わせということであれば、「研磨」の表記がしっくり来ます。

業務などで用いる場合は、両者の表記が混在していると支障が出ることがあるので、あらかじめどちらを用いるのか、社内等で統一しておいたほうがよいでしょう。

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