DVD研磨について
DVDはDigital Versatile Discの略から定着した言葉で、多目的に使えるディスクという意味を持ちます。その名の通り、今日ではCD以上に記録用メディアとして利用されています。
DVDの構造はポリカーボネート(PC)と呼ばれる耐衝撃性に優れた樹脂に、反射層としてアルミが蒸着してあり、ラベル面には印刷可能な処理が施されています。 CDと似ており、したがってDVDの研磨もCDと同様に行うことが可能です。ただし、この場合でもデータ層に直接傷がついてしまっている場合は研磨による再生は困難です。研磨で再生できるケースとしては、保護層に相当するポリカーボネート部分に微細な傷がついているために、データを読み込む際にプレーヤー内部のピックアップレンズから照射される光があらぬ方向に屈折したり、乱反射等することでデータの読み込みがうまくできなかったり、音や映像が飛んでしまうといった状況の場合です。
DVDには市販されているものでもデータを記録する層が1層のものと2層のものがあります。4.7GBの記録容量を持つ1層式のものと8.5GBの容量をもつ2層式のものです。記録層には有機色素が使われており、この部分がポリカーボネートでサンドイッチのように挟まれた構造をしている、といったほうがわかりやすいかもしれません。片面構造のDVDディスクの構造は、上から順番に、ラベル等を印刷する接着層、保護層、反射層、ディスク基板(記録層)となっています。例えば再生専用のDVDの原理としては古くはレコードの時代と同じように、ディスク表面に微細な「くぼみ」をつくり、それをレーザーで読み取るという方式です。このデータそのものが記録されている部分が破壊されていなければ、DVD研磨によって再生できる可能性があります。片面式のものであれば、ラベルが付いているほうから傷が深く入ってしまっている場合、再生は困難です。
注意点としては、研磨は物体の表面を削る加工様式ですので、磨き過ぎれば記録層表面のポリカーボネート部分(保護層)が減ってしまい、記録層そのものや反射層に達してしまう場合があります。また研磨材は、歯磨き粉でも再生できるといわれていますが、この研磨材に含有している砥粒(物体を削る作用をもつ粒)の大きさ次第では、もとからついていた傷よりも大きな(深い)ものがついてしまう場合もあります。基本は、ついている傷と同等の大きなの粒度(砥粒の大きさ)からはじめ、徐々に細かいものに変えていくことです。
コンパウンドとしてDVD研磨やCD研磨用として販売されているものの中には1工程で仕上げられるものもあります。
「DVDの研磨」に関連するサイトやリソース
- ソニーのDVD構造、記録、再生のしくみ
- DVDの構造図や記録方式の違いについての解説があります。
- DVDの構造を知ろう(リンク切れ)
- 一層式と二層式についてのわかりやすい説明があります。
- ジャックス
- CD研磨機やDVD研磨機を販売する会社。
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