コンクリート床の研磨について

2024年12月27日更新

工場や倉庫、店舗、ガレージなどのコンクリート床の劣化に対し、コンクリート床そのものを研磨して保全をするという考え方があります。塗り床にしてもコンクリートの床自体に手を加えないと、塗り床の部分的な補修作業に追い掛け回されるため、これらを解決するために床研磨が工法として採用されることがあります。シックハウスなどの問題で溶剤系が使えない場合、床材の敷設が難しいですが、あえてコンクリート床を研磨したままの状態にしておくことも可能です。

コンクリート床の研磨では、表面を完全に平坦にし、粗骨材を研ぎ出します。粗骨材が表れたコンクリート表面は硬度も高く、珪酸ソーダの塗布には最適で、これらを用いるとコンクリートの気孔を通して30ミリ程度の深さまで浸透し、最大で10倍程度の強度向上が得られます。工場や倉庫などでは都合がよいですが、一般の住居やガレージ、店舗などでもこうしたコンクリート床をそのまま活用するケースも増えてきています。

脆弱なコンクリート床の表層面(レイタンス)を取り除き、骨材の露出した表面にする事により、既存のコンクリート床でも、より強靭、平坦な床にするためにコンクリート床研磨が実施されます。コンクリートであっても、適切な工具と機械があれば、文字通り「鏡面研磨」が可能です。

またこの研磨は鏡面に仕上げることのほか、下地処理作業の一工程として行われることもあります。表面に凸凹や不陸がある状態では、床材や仕上げ塗装を行うにも差しさわりがあるため、これらを取り除くための研磨となります。

塗床の塗り替え作業や表面化粧材を施す場合、古いものを完全に取り除く作業が重要となりますが、このときに防塵薄膜やエポキシ系の厚塗膜など、様々な種類の樹脂系の被覆床材を取り除く必要があります。

新しいカバリング材を敷設する前に平面施工を行うと、塗料の経費を節約したり、凹凸や不陸のない丈夫な塗り床を作ることが出来るため、コンクリートの研磨が実施されることもあります。

通常は床研磨機と呼ばれる専用機に、ダイヤモンド工具を取り付けて床の表面を削っていきますので、凹凸の除去以外にも、打設直後の雨打たれ コテむら、レイタンス除去、レベル修正、油泥除去、カーペット接着剤除去などをまとめて行うことができるとされます。

カーペット用接着剤の除去は下地処理や床工事の中では厄介な作業の一つですが、床研磨でコンクリート床を平坦にしておくことで、新たに表層スクリードを敷設せずに、新しいカーペットを敷くことができるというメリットがあります。

コンクリート床の研磨としては、表層レベル敷設材除去を目的とするものもあります。スクリードの除去は厳しい作業で、従来工法ではスカリファイヤー(表面剥離)機やハチェット機が使用するのが一般的です。この方法では基礎コンクリート面も削るため、新たにスクリードを敷設する必要があります。

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