シリコン研磨について

2024年12月27日更新

シリコンの研磨はそのほとんどがシリコンウエハの研磨で、製造時に研磨する以外にも、ウエハの再生のために研磨することもあります。

表面の凹凸を除去して限りなく平坦にしてから、鏡面にするという研磨工程ですが、数ある研磨のなかでもわずかな汚れや傷が許されない製品のため、研磨装置、洗浄や検査などにも専門の設備が必要になります。

シリコンウエハの材質は、シリコンの単結晶で、それ以外の不純物はほとんど含有していません。シリコン単結晶の硬さはビッカース硬さで1000を超えるほどのもので、超硬合金が1500前後ですから、それよりも若干軟らかい程度で、Hv500から900程度のガラスや鉄鋼材料であるS45C(炭素鋼・焼入れ)の250や、SS400の125よりも硬いことがわかります。ちなみにダイヤモンドはHv10000を超えます。

厚みを落とすための加工をバックグラインディング(バックグラインド、BG加工)加工ともいい、表面の凹凸を除去するラッピング、さらに仕上げのためのポリッシングと区別されています。

シリコンウエハの研磨に使われる主な研磨材としてはシリカ(SiO2)をベースにしたコロイダルシリカを砥粒に用いている液体の研磨材が多く、これらはCMPスラリーとも呼ばれ、物理的な研磨と化学的な研磨の複合的な研磨です。

なお、シリコンの研磨でもシリコンインゴット自体を研磨するというケースもあります。こちらは太陽電池などの巨大なパネルに使われるもので、ブロック状に切断したシリコン結晶の塊の表面を研磨・研削して、それを切断したものが太陽電池のパネルとなります。この研削を担うのはダイヤモンド砥石で、研磨盤の形状を持つ工具を用いて平面研磨されます。

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