ガーネットによる研磨

2024年12月27日更新

ガーネットは宝石としても知られるザクロ石のことですが、研磨の世界では「金剛砂」として砥粒に使われています。金剛というとダイヤモンドを意味する金剛石を連想しますが、この柘榴石はそこまでの硬度はありません。

廉価であり、手に入りやすいことからも研磨に多用されてきましたが、ワークが多様化するとともに、より高い硬度を求められるようになりつつも、ガーネットよりも硬度に優れた仕様や粒度のバリエーションに優れた他の研磨材が普及しているため、工業用途では見る機会も減ってきています。

ただし、サンドペーパーなどではよく使われているため、木工用などでも重宝されます。

このガーネットを素材とする金剛砂の硬さを示すと、修正モース硬度15段階で示した場合、10にランクインします。最高の硬さとなる15がダイヤモンドであり、水晶や溶融石英(SiO2)が7〜8となり、研磨材の主力となっているアルミナが12、炭化ケイ素が13となっています。

こうしてみると、水晶よりは硬いものの、他の一般砥粒よりも硬さでは劣ることになるため、万能感のあるアルミナや炭化ケイ素系に比べるとワークを選ぶ研磨材ともいえます。

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